前回、小説を書き始める前に色々と設定を決め、ある程度の大筋は決まったでしょう。

 次は、それを文字に変換していきます。

 初めから格好の良い言い回しはしなくて良いです、てか出来ないはずです。

 そのため、始めは本当に情景をそのまま書いてみましょう。

 それも難しい人はいっそのこと最終手段。

 @シナリオ形式

 A〜が言った

 B描写追加

 C格好つけ

 という順に。

 

 

 

 

@シナリオ形式で書く

 シナリオ形式というのは、簡単に言えば『劇の台本』です。

 キャラ名「台詞」

 で構成される文章です。

 例としては……

 

 

恭「……しっかしこんなにいっぱい来るとは、組織か何かか? 六月油虫ウザいなぁ……」

女「……貴方がこの骸の山を?」

恭「まぁな、前衛芸術って感じだ。で、お前は何の用だ? コイツらの仲間ってわけでもなさそうだが」

 

 

これだけだと、全く何が起きているのかがわかりません。

 

小説を始めたばかりの頃の俺は、どうにか台詞だけで書こう、と何故だかやっきになっていました。

ですが、小説の世界では、こういったシナリオ形式は嫌われる、と知り、それを変化させました。

実際、脱シナリオ形式をした後はソッチの方がよく見えてきます。

 

 

A〜が言った形式で書こう

 

次は、このシナリオ形式から少し変化させ、『〜が言った』としてみましょう。

 

 

「……しっかしこんなにいっぱい来るとは、組織か何かか? 六月油虫ウザいなぁ……」

恭が言った。 

「……貴方がこの骸の山を?」

 女が出てきて言った。

 「まぁな、前衛芸術って感じだ。で、お前は何の用だ? コイツらの仲間ってわけでもなさそうだが」

 恭は言った

 

 

……幼稚ですね。

見てわかるほどに。

描写量はともかく、文章としてはこれで間違いではありません。

 

B描写を加えてみよう

 

次はこれに、状況説明を加えてみましょう。

 

 

 

「……しっかしこんなにいっぱい来るとは、組織か何かか? 六月油虫ウザなぁ……」

 恭の周りには、たくさんの死体が転がっていた。

 恭の問いに答える人はいない。

 恭が振り返ると、凛とした美少女が、太刀を片手に立っていた。

「……貴方がこの骸の山を?」

「まぁな、前衛芸術って感じだ。で、お前は何の用だ? コイツらの仲間ってわけでもなさそうだが」

 少女が問い、恭が答える。

 恐ろしいほどの力に気圧され気味の恭は、少女に光の弾を撃ち込む。

 でも、光の弾はその動きを変えて、どこかに消えていってしまった。

 

 

う〜ん……説明で書くのは難しい。

このくらいのレベルの小説ならば、「うん、まぁ、マトモじゃん?」と言ってあげられます。

ですが、マトモにあって面白い、とまでは行きません。

そこで、描写を詳しく、鋭くしてみましょう。

これは他の小説などで見た面白い描写を使ってもいいですね。

 

C格好つけてみよう

 

 

鈍い音が風を切り裂き、闇の中を光弾が走る。

また一つ屍が積み上がる。

 

「……しっかしこんなにいっぱい来るとは、組織か何かか?」

 

俺は無数の骸を見ながら溜息交じりに問う。

答える者などいないと知りつつも、だ。

これだけ強力な奴らがこれだけいる集団なんて数は限られる。

あとで調べる必要がありそうだ。

 

六月油虫ウザいなぁ……」

 

俺は前に思いついた意読で言葉を吐く。

振り返るその視線の先、そこに立ち尽くしているのは滑らかな黒い長髪を腰まで下げ、凛とした雰囲気を纏った美少女。

その片手には太刀――戦闘態勢。

俺は彼女に本能的な恐怖を感じる。

刹那の間を置かず光速の刃が俺を襲う。

それは神力を練り込んで生成された超物質、硬度にせよ融点や沸点にせよ他の物質とは桁が遥かに異なる。

俺は瞬間的に紡いだ防御術式により光速の刃を防ぐ。

 

「……貴方がこの骸の山を?」

「まぁな、前衛芸術って感じだ。で、お前は何の用だ? コイツらの仲間ってわけでもなさそうだが」

 

少女の問いに俺は悠々と回答。

しかし内心は彼女の放つ異質すぎるほどの神力と殺気に気圧され気味でもあった。

俺はそんな内心を誤魔化ごまかすかのように、彼女に光弾を撃ち込む。

しかしその光弾は軌道を僅かに変化、闇に消え行く。

恐らく温度の壁を作り周囲の気体を瞬間のみ液化させ、光学神術の軌道をずらしたのだろう。

彼女の眼光は揺るがない。

 

 

かなり自画自賛的な発言になりますが、ここまでくれば、胸を張って「俺は小説書いてるんだぜ」と、友人にくらいは言えるようになります。

まぁ、まだまだヘタレには変わりありませんが……

まず、良い描写というのは、比喩表現の連続です。

例えば前例にある『言った』です。

始めは、『言った』人物が誰なのかを特定して書いてあります。

ですが、慣れてくれば、その前の文脈から、誰が『言った』のかを特定しなくてもわかるようになります。

そして、『言った』ではなく、もっと格好の良いものを使ってみましょう。

ただザクに高機動型や、シャア専用などがあるように、『言った』にもたくさんのバリエーションがあります。

答えた、言葉を発した、放った、言葉を紡ぐ

状況や大きさを判断できるように

大声ならば、叫んだ、絶叫した

小声ならば、呟いた、〜という言葉が漏れた

などと言うのも。

他にも

沈黙を破った、のように場面場面で使い分けの求められる言葉もあります。

色々な表現を探すのは楽しいです。

そのための辞書とも言うべきが、小説です。

小説には様々なプロが考え抜いた描写がたくさん載っています。

それは、皆さんが各々気に入ったものを使ってください。

とりあえず、書いてみましょう。

書けばわかることもたくさんあります。

当サイトは、初心者から上級者まで、どなたでも大歓迎です。

これを見て、書いてみたいな、と思った方は是非書いて見て下さい。

わからないことがあるという方は、小説話題掲示板で気楽に質問してください。

答えられることに対しては、全て答えます。

今回はこの辺で。

では〜

 

 

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